設立趣旨

全国地方教育史研究会の設立について

                                                     仲     新

 地方教育史の研究は近年ますます隆盛となり、その研究者も増加している。このことは学制百年を記念する事業として全国の府県、さらに市区等において、その地域の教育史を編集する動きが活発となったこととも関連を持っていると見ることができる。このような状況の中で、地方教育史の研究者が結集して昭和53年9月に地方教育史研究会を組織したのである。この会は会員相互の研究の交流を行うとともに親睦を図ることを目的とし、協力して地方教育史の研究を推進したいという要望によって結成されたのである。そこで翌54年5月には、東京で春期研究会を開いて研究の交流を行い、また研究課題等について意見を交換した。
  次いで同年10月、愛知教育大学において全国地方教育史研究会第1回総会と研究発表会を開催した。地方教育史の研究は、日本教育史の専門研究者による研究のほか、都道府県教育史や市区町村の教育史の編集と関連をもって、それぞれの地域におけて研究が進められてきたことは見逃すことのできない重要な事実である。都道府県教育史の編集については一段落の観もあるが、最近はその後を受けて市区町村教育史の編集が盛んとなっており、地方教育史研究のすそ野が急速に広がっている。日本教育史の専門研究者がこれに参画し指導的役割を果たしている場合も少なくない。このような状況の中で、この研究会が会員相互の研究の交流に役立つのみでなく、多くの地方教育史関係者にも寄与することとなり、広く地方教育史研究の推進に資することができるならば幸いである。
                                                                                                                                                                                                                                   昭和55年9月

補記:
(1)この設立趣意書は、本学会紀要『地方教育史研究』第1号(昭和55年)に収められた「はしがき」(仲 新初代会長)の一部を省略したものである。

(2)全国地方教育史研究会は、昭和54年10月愛知教育大学において第1回総会を開催し、発足した。昭和59年5月第6回総会において「全国地方教育史学会」と名称変更をした。