佐久間 由梨
(Yuri Sakuma)

専門分野:
アメリカ文学・文化
アフリカ系アメリカ人文学・文化
ブラック・ミュージック(とくにジャズ)
ポピュラー・ミュージック

E-mail: sakumay#waseda.jp (replace # with @)

Classes

英語英文学科担当科目:

<1年次必修>Introduction to Literature and Culture

<専門選択> 米文学講読(春・秋)、英米詩研究(春・秋)

Introduction to American Culture(秋)

<ゼミ>   英米文学語学演習

<大学院>  アメリカ文学演習(修士)(春・秋)

アメリカ文学・文化研究演習(博士)(春・秋)

アメリカ文学特論(20世紀アメリカ小説研究)(春・秋)

<授業紹介>

【米文学講読】

アメリカ文学の短編を毎学期に3編ほど、時代・社会背景とともに、じっくりと読みながら理解していく授業です。日本語訳で長編小説も読み、レポートも執筆します。文学作品の内容を正しく理解するだけではなく、物語を読む楽しさについてもお伝えできればと思っています。アーネスト・ヘミングウェイやF.スコット・フィッツジェラルドなどの有名作家、日本ではあまり知られていないアフリカ系アメリカ人作家、フェミニズムやジェンダーへと強い関心を持つ女性作家の作品も読んでいます。毎回、自分自身の作品解釈をもとにディスカッションを行います。

【Introduction to American Culture】

アメリカの大学で使用されるポピュラー・ミュージックについての英語教科書を読みながら、アメリカのポピュラー・ミュージックの歴史を学んでいます。ゴスペル、ブルース、R&B、ソウル、ブロードウェイ・ミュージカル、カントリー、ロックンロール、ロック、ヒップホップ、MTV、EDM、リミックスに至るまで、音楽ジャンルや音楽テクノロジーの発展の歴史について概観します。授業では、受講者による教科書要約の英語のプレゼンテーションと、音楽作品解釈をめぐる英語ディスカッションを行います。

【大学院】

少人数制のアットホームな環境の中で、各受講生の関心と結びつくアメリカ文学作品や理論を読み、毎回の授業では日本語と英語でディスカッションをしています。文学・文化研究で大学院に進学するという決断をするのは、費用や就職の不安もあり、なかなか難しいのではないかと思います。もし文学や文化の研究が好きで、進学して深く学問的に追究したいという気持ちがある方は、お気軽にご相談ください。

ゼミ紹介:About my seminar

【演習内容】

奴隷制時代から現代までのアフリカ系アメリカ人の文学・文化を歴史背景とともに学びます。現代のアメリカにおいては、黒人初の大統領が誕生し、一見するとアフリカ系アメリカ人の社会的平等が達成されたかのように見えるかもしれません。しかし人種をめぐる問題は現在も根強く残っています。2014年ごろから、白人警官による黒人男性の射殺事件が社会問題となり、Black Lives Matter (BLM:黒人の命は大切)という抗議運動が今まさに行われています。

BLM運動では、人種だけではなく、ジェンダーやセクシュアリティをめぐる平等についても焦点になっています。よって、ゼミでは、人種とジェンダーをめぐる論点を含む作品を扱ってきました。アフリカ系アメリカ人初のノーベル文学賞作家であるトニ・モリスンや、ピュリッツアー賞、全米図書賞を受賞したコルソン・ホワイトヘッド、マルコムXやキング牧師、バラク・オバマ前大統領のスピーチ、ブラック・フェミニズムの理論、ゼミ開催年度に話題となっている映画や音楽作品を扱うこともあります。

【演習の目的】

異文化理解や多文化共生について考えることも大きな目的です。いいかえれば、人種問題を中心に据えながらも、人種が、いかにアイデンティティにまつわる他の領域、たとえば、性別、LGBTQを含むセクシュアリティ、階級格差、世代、宗教といった様々な事象と分かちがたく結びついているかについて分析する力を養います。文学・文化表象を手掛かりに、日米の社会や教育現場における多様性について深く考えてみたい方にも是非受講していただければと思っています。

【ゼミで行う活動】

  • 毎回のゼミでは、作品を正確に理解し、分析し、自分の考えを他人と共有する能力を磨くための参加型演習を行います。個人プレゼンテーション⇒ディスカッションという流れが中心です。

【卒業論文指導範囲】

  • アメリカに関連する文学・文化・音楽全般(人種やマイノリティをめぐるテーマ以外でもよいです)
  • アフリカやカリブ海諸国の英語圏文学、ポストコロニアル文学
  • 文学・文化作品の分析に基づく、人種、民族、セクシュアリティ、性別などの多様性や、差別、偏見、異文化理解、多文化共生をめぐるテーマ

 

自己紹介:About myself

アメリカ文学と音楽を研究していますが、趣味も文学と音楽です。高校生の時からクラリネットやテナー・サックスでジャズ演奏していたこともあり、ジャズが誕生したアメリカに興味を持ちました。

コロナ禍では難しいのですが、ジャズ・ライブや音楽フェスに行くことも好きです。仕事が落ち着く休暇中には、早稲田大学のそばにあるNuttyさんというジャズ喫茶に行って音楽を聴かせてもらうことも多いです。授業が始まると時間的余裕がないので、もっぱら家で音楽を聴きいています。集合住宅でも高音質で聴けるヘッドフォンを最近購入して、Ultra HD配信で聴いていますが、臨場感があってかなり良いです。

物語を読むことも好きで、一生でできるだけたくさんの、世界中の小説を読んでみたいです。

専門紹介:My academic field

アフリカ系アメリカ人の文学・文化とブラック・ミュージックを研究しています。とくに、ジャズと文学との関係性について、2010年代以降の現在進行形のジャズについて、最近は興味を持っています。加えて、レディ・ガガ、ビヨンセ、テイラー・スウィフト、ビリー・アイリッシュなどを含むポピュラー・ミュージックも研究対象とし、音楽作品がどのように社会や時代を反映しているのかについても研究しています。

私の学生時代:My school life

大学時代はジャズ研に所属して、ほぼ毎日大学でサックスを練習していました。今思うとすごくよい授業を受講していて、学びの機会が充実していた大学生活だったのに、その当時はいろいろなことに必死なわりに空回りし、原因不明に悩むことも多くて、うまくいかないことばっかりだったような気もします。

音楽やセクシュアリティに興味があったので、卒論では黒人音楽と同性愛についても描いているアフリカ系アメリカ人作家、ジェームズ・ボールドウィンの『もう一つの国』という長編小説を題材にしました。卒論執筆は予想以上に楽しく、自分でも驚きました。好きなことを研究するのは楽しい、と、その時、感じたのを覚えています。

学生の声:What the students say

<ゼミ生より>

佐久間ゼミでは米文学の中でもアフリカ系アメリカ人文学に焦点を当てて学んでいきます。ジャズ・人種差別・ブラックフェミニズムなど、現代のアメリカ社会に通じるテーマを扱うので、気負わずに米文学を学ぶことができます。佐久間先生は誠実で謙虚で生徒1人1人にしっかり向き合う優しい方なので(先生の授業を受けたことがある人はみんなわかるはず!!)ゼミの雰囲気も明るく、和気あいあいとしています。アメリカ文学を学びたい人はぜひ来てください!

<大学院生より>

私は教育学研究科博士後期課程に在籍し、佐久間先生のもとでアメリカ文学の研究を進めています。佐久間先生は、学会発表や論文執筆に関する実践的指導を熱心に行なってくださるだけでなく、(佐久間先生のご専門である黒人学研究の視座とともに、)われわれ院生のテクストに対するさまざまな視点を肯定し、抱擁し、そして発展させてくださることで、テクスト研究の開かれた可能性を呈示してくださいます。私自身も、「文学/楽」を追求したい方と一緒に学べることを楽しみにしています。

主要著作:Main Publications

<最近5年分の主要なもの>

分担執筆

  • 竹内理矢、山本洋平編、『深まりゆくアメリカ文学――源流と展開』、ミネルヴァ書房  2021年4月(分担執筆範囲:「ハーレム・ルネサンス――アフリカ系アメリカ人初の芸術文化運動」)
  • 細田成嗣編、『AA 五十年後のアルバート・アイラー』、カンパニー社、2021年1月(分担執筆範囲:「現代から再検証するアルバート・アイラーの政治性と宗教性——ブラック・ライヴズ・マター期のジャズの先駆者として」)
  • 巽孝之、宇沢美子編、『よくわかるアメリカ文化史』、ミネルヴァ書房、2020年4月(分担執筆範囲:「音楽――ジャズ/ブルース」)

論考

  • 「ブラック・ライヴズ・マター時代のジャズ――クリスチャン・スコット・アトゥンデ・アジュアとテリ・リン・キャリントンの即興実践」『現代思想 10月臨時増刊号 Black Lives Matter』 第48–13号 pp. 229–235. 2020. 9. 青土社
  • 「複数形の歴史の語り方――ジーナ・アポストルのInsurrecto(2018)にみる米比戦争とバランギガ虐殺」『専修大学 人文科学研究所月報』第305号 pp. 69–80. 2020. 5. 専修大学人文科学研究所
  • 「ミレニアル世代のジャズ : カマシ・ワシントンをジャズ史とBlack Lives Matterに位置付けるとき」『立教アメリカン・スタディーズ』第42号 pp. 31–49. 2020. 5. 立教大学アメリカ研究所
  • “Political Uses of Improvisational Oratory: Frances Watkins Harper as a Female African American Reformer and Performer” 『学術研究――人文科学・社会科学編』第68号 pp. 165–175. 2020. 3. 早稲田大学 教育・総合科学学術院
  • 「“From Freezing to Hot to Cool”――『ジャズ』におけるジャズと暴力」『ユリイカ――特集トニ・モリスン 令和元年10月』第51–17号 pp. 104–112. 2019. 10. 青土社
  • 「ジャズに聴くハーレム・ルネサンス――デューク・エリントンの “Black and Tan Fantasy” (1927)」 『アメリカ文学(日本アメリカ文学会東京支部会報)』第80号 pp. 11–18. 2019. 6. 日本アメリカ文学会東京支部
  • 「村上春樹のアメリカ黒人文化とジャズ――『ノルウェイの森』と『海辺のカフカ』におけるジョン・コルトレーン表象から」『人文科学研究所月報 特別共同研究「村上春樹 表象の領域」特集号』第293号 pp. 25–48. 2018. 5. 専修大学人文科学研究所
  • 「オバマ時代のポピュラー・ミュージック(1):レディ・ガガの“Born This Way”とマックルモアの“Same Love”にみる性的マイノリティ表象」『人文科学年報』第48号 pp. 129–151. 2018. 3. 専修大学人文科学研究所
  • 「ジャズの好みについて語るときに中上健次と村上春樹が語っていること」『現文研』第93号 pp. 38–55. 2017. 3. 専修大学現代文化研究会
  • 「ロシア文学とアメリカ黒人文学――ドストエフスキーとリチャード・ライトの二重の意識」単著『人文科学研究所月報』第280号 pp. 29–48. 2016. 2. 専修大学人文科学研究所