和氣 一成
(Wake Issei)

専門分野:

アメリカ文学・文化研究、批評理論

E-mail: iwake#waseda.jp(replace # with @)

 

Classes

<1年必修>

米文学史 I, II、

Introduction to Literature and Culture

<1年以上選択>

アメリカ映画研究

文学批評理論

英語上級コミュニケーション

英米文学語学演習

 

<授業紹介>

【アメリカ映画研究】

1年生から履修できる科目です。映画分析の実践を学ぶことにより、映画テクストについての「感想」、「印象」を述べ、ひたすら「作者/映画作品の言いたかったことは何か」という感想を続けるのではなく、映画作品を「批評」できるようになることを目的とする授業です。学生によるプレゼンテーション、ディスカッションに特に力を入れています。

 

【文学批評理論】

批評理論を学ぶことにより、テクストの「感想」や「印象」を述べ、ひたすら「作者の言いたかったことは何か」だけにこだわり続けるのではなく、批評理論を分析の拠りどころとして用いてテクスト(紙媒体のものだけを指すのではなく、映画などの映像媒体も含めての意味です)を「批評」し、主題について分析を深めることを目的とします。この授業で学んだ批評理論に基づく分析実践を、卒業論文やレポートを作成する際に活用してほしいと思います。学生によるプレゼンテーションディスカッションに特に力を入れています。

 

ゼミ紹介:About my seminar

【ゼミでの目的(内容面から】

アメリカ文学・文化(特に映画分析について理解を深めることを大きな目的とします。

春学期には批評理論を概観し、まずは基礎的な知識を習得します。各回において、それぞれの理論の基本的発想を確認し、重要語句の理解を深めていきます。

秋学期には各批評理論に基づいて、文学や映画作品の分析の実践を通して、各理論の有効性と限界について考察していきます。

学生のみなさん自身がその理論の応用例を精読・実践することで、特定の理論に依拠した議論がどのような新しい解釈と可能性を展開しうるか、をご自身でご経験なさってもらいたいと思います。

 

【ゼミでの目的(形式面から】

①(卒業後を意識して)自ら考え、行動し、多様な価値観を受け止める知性を涵養することを目的とします。

②(卒業後を意識して)自らの意見を客観的、多角的視点から述べることを目的とします。鍛錬なしにはなかなかうまくはできないものです。

→これら二つの大きな目標のため、ゼミではプレゼンテーションディスカッションに特に力を入れています。

 

 

自己紹介:About myself

研究対象でもあります映画を見ることが至福の時間です。ジャンルは問わず、毎日映画やドラマを鑑賞しております。一つ一つの作品の奥深さを研究を通して実感しておりますが、その喜びを授業を通して共有できればと思います。

 

専門紹介:My academic field

これまで専門分野としてアメリカのモダニズム文学、特にフランシス・スコット・フィッツジェラルド(Francis Scott Fitzgerald, 1896 – 1940)を中心として研究を進めてきました。20世紀転換期以降のアメリカ小説や文化事象に見られるアメリカ国家のアイデンティティについて、作家や様々な事象の「声」を多角的に分析していくことに関心があります。このような視点から、これまでの論文では例えば、アメリカ化のプロセスにおいて移民のアイデンティティがいかにトランスナショナルな様相を呈しているかという問題を扱ってきました(トランスナショナル・アイデンティティの問題、つまり祖国に対するナショナル・アイデンティティやディアスポラ的なアイデンティティ―をあわせ持ちつつ、移民先アメリカで新たなアイデンティティの構築していくプロセスについて)。他にも帝国主義、戦争、トラウマなどの問題を扱ってきました。これに加えて、アジア系、ユダヤ系、アフリカ系など人種、エスニシティを中心とした映画研究にも強い関心を持っています。

そのような学問的探求の中で、文学/文化研究にはさまざまなアプローチがあることを知り、批評理論を学びました。さらに留学を通して批評理論と文学研究の関わりを深く学び、その面白さをよりいっそう味わいました。授業でも、文学や文化事象の分析に際して、学生と一緒にさまざまな側面から捉えることの面白さを感じていければと思っています。

私の学生時代:My school life

学部時代には、フランス文学のみに没頭しておりました。ギュスターヴ・フローベールの『ボヴァリー夫人』(1857)や『感情教育』(1869)などが印象に残っております。特に前者は精読の喜びを教えてくれたテキストです。田舎の平凡な結婚生活に倦んだ女主人公エマ・ボヴァリーが華美な世界に憧れ、不倫や借金地獄に追い詰められ、人生に絶望して服毒自殺に至っていくという物語です。ただその表層のみを読むのではなく、精読を通じて、いかに本作品が細部にまで精緻な客観描写を施し、自由間接話法を駆使して作中人物の内面に生起する言葉を再現させた心理描写に成功しているのかを学び、分析することの楽しさを知りました。今の文学・映画の分析の原点がそこで育まれました。皆さんにも貴重な学部時代に、文学作品や映画の「精読」を通じて、分析する楽しさを知ってほしいと思います。

学生の声:What the students say

<ゼミ生より>

和氣先生は学生に親身に接してくださる方です。学生全員に挑戦の機会を与え、良い点は強みとして褒め、改善点はアドバイスをしてくださります。学生の成長を第一に考え親身になってくださるからこそ、授業前後の休憩時間には先生の周りに学生が集まっています。

先生の授業の特徴はグループプレゼンテーションとディスカッションです。学生が主体となってプレゼンし、ディスカッションで更に考えを深めていきます。プレゼンテーション能力や思考力が高められるだけでなく、共に頑張る新しい仲間と出会うこともできます。プレゼン準備に困った時には授業前後や放課後に先生がグループ毎の相談に乗ってくださったこともありました。

ゼミでは「○○主義」といった名前のつく文学批評理論を学び、実践として映画を批評しています。春には1人3回ずつのグループプレゼンで批評理論の基礎を固め、秋には自分で決めた対象作品の発表をします。大半の学生が映画を選びますが、アニメや美術、音楽やファッションなど、各自の興味に沿った作品を選ぶことができます。批評理論は、1つのテクストを多面的に捉えることで、全く逆の読み方も可能になる点に面白さを感じます。ゼミでは司会も学生が行うため、プレゼンする側だけでなく、進行する力やオーディエンスとしての力も身につけられました!ワイワイとした雰囲気の中で「物事を多面的に捉える力」、「完全解答のない世界で思考、決断する力」、「人に分かりやすく意見を伝える力」を一緒に身につけましょう!

 

主要著作:Main Publications

  • Black History as Black Horror -The Analysis of the Film Get Out through Trauma Theory-学術研究 : 人文科学・社会科学編 学術研究 : 人文科学・社会科学編 (69), 151-168, 2021-03-25
  • “Spirit of the Dead, Rise up!” -Rewriting the Slavery History through the Palimpsest Historiography in Sankofa- 学術研究 : 人文科学・社会科学編 (68), 177-193, 2020-03-25
  • Kabnis’s Red Stain of Bastardy -The Analysis of Racial Revelations in Jean Toomer’s Cane-学術研究 : 人文科学・社会科学編 (67), 143-159, 2019-03-25