澤木 泰代 SAWAKI Yasuyo 英語教育 ― 応用言語学(言語テスト)、英語教育

私のゼミでは、テストを作成・実施・利用する教育者・研究者の視点から、学習者の英語コミュニケーション能力の育成における言語テストの役割について様々な側面から考察します。また、言語テストの分野は、第二言語習得理論や教室での語学指導実践と深く関連しています。従って、ゼミの根幹はテストに置きながら、トピックに応じて、関連する他の応用言語学の分野も扱っています。
ゼミの活動においては、3年次春学期から、文献調査や英文での論文要約・レポート作成などの課題に継続的に取り組むことを通して、4年次には英語で卒業論文を書けるように指導します。また、ゼミ授業での活動は、言語テストや第二言語習得に関する教科書や論文の内容に関するディスカッション、また言語テスト理論を応用して既存の言語テストを分析したり、独自のテストを作成したりするグループ・プロジェクトに関する話し合いやプレゼンテーションが中心です。日本語・英語を問わず文献を多読すること、授業に活発に参加することを通し、ゼミに在籍する2年間で、英語教育や第二言語習得、言語テストの理論的な基礎と、筋道を立てて自分の考えをまとめ、表現する力を着実に身につけることを目標としています。

自己紹介

About myself

熊本県八代市生まれです。最近は熊本のゆるキャラ「くまもん」と共に、八代産のトマトが有名になり嬉しいです。小さい頃から好奇心旺盛で、何かをやりだしたらのめりこむ性格です。スポーツをやっていたので体力には自信がありますが、数年前に子供と一緒に始めたスキーでは、完全に家族の足を引っ張っているので、目下スキーがうまくなることが目標です。趣味は音楽鑑賞と、料理を作ること、そして食べることです。
大学学部4年生の時に1年間交換留学したのをきっかけに、2009年4月に早稲田大学に来る前までの間、大学院とその後の仕事を含めて、米国に計14年間住みました。貴重な20代と30代の多くの時間を海外で過ごした経験が、今の自分の土台となっていると感じます。

専門紹介

My academic field

近年盛んに英語力育成の大切さがメディアで取り上げられています。では「英語ができる」とは果たしてどういうことでしょうか。例えばビジネス・パーソンであれば、それは英語で商談ができたり、海外の取引先と英語でEメールや電話を通じてのやり取りを滞りなく行ったりできることを指すかもしれませんし、あるいは研究者であれば、英語で論文を書いたり、研究課題について他の研究者と英語で討議したりできることを指すかもしれません。つまり、言語能力は英語学習の目的や英語を使用する場面に応じて様々に定義することが可能であり、従って、言語能力のどういった面をどのような方法でテスト(測定)するかも、英語テスト実施の目的や受験者の特性によって変わってくるのです。応用言語学の中で、言語能力の測定に関して研究する分野が言語テスト(language assessment)です。日本では比較的新しい研究分野ですが、英語学習者それぞれのニーズに合った英語カリキュラムを作成・実施したり、日々の英語指導の効果を評価したりするうえでも、小・中・高校や大学レベルでの英語教育、あるいは成人を対象とした英語指導など、日本での英語教育に今後幅広く応用が可能な研究分野です。
私はこれまで主に大規模英語テスト、特に海外の大学・大学院に留学する際に必要となるトーフル(TOEFL)の妥当性の研究や、英語読解能力の測定に関する研究などに携わってきました。最近は4技能(リーディング、リスニング、ライティング、スピーキング)それぞれにおいて、英語学習者の比較的得意な面とそうでない面(例えばスピーキングであれば、文法的に正しい発話ができるが発音が弱いなど)について分析し、英語力診断に役立てる方法を探る研究も行っています。日本の英語テストの歴史や各種英語テストの比較分析、英語授業とテストの連携に関する研究にも興味を持っています。

私の学生時代

My school life

習い事と部活に明け暮れた子ども時代でした。小学生の時はピアノ、吹奏楽と合唱をやっており、学校の部活では小・中学校では水泳、高校・大学ではバスケットボールをやっていました。学校の教科では英語が好きでした。熊本大学教育学部で過ごした学部時代の前半は、自分の将来を模索した頃で、勉強よりは部活や友達と過ごす時間の方が楽しい時期でもありました。しかし、ゼミの恩師との出会いで言語学と英語教育に目覚め、それから猛勉強を始めました。学部4年時の米国への交換留学と、熊本県公立中学校教員としての経験を経て進んだイリノイ大学の修士課程(英語教授法)では、受講した言語テストの授業で衝撃を受け、この分野の研究を仕事にすることを決意しました。カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)の博士課程(応用言語学)では、言語テストのことについて議論するのが大好きな、素晴らしい先生や仲間たちと、大変ながらとても充実した時間を過ごしました。

学生の声

What the students say

澤木先生は、教員・アメリカの大学院での研究・ETS での研究(TOEFLでお馴染みの、言語能力を含む様々な能力を測定するアメリカの非営利テスト開発団体)等でのご経験から、様々な角度から言語評価・第二言語習得・英語教育について英語でとても明快にご指導されます。また、常に笑顔を絶やさず、ゼミ内では結婚式でお呼びしたい「第2の母」と慕われ、親身になって卒業論文指導や進路相談を行ってくださいます。私自身、進路相談や質問で何度も研究室を訪問しましたし、先生と議論に議論を重ね、満足のいく卒業論文を英語で完成させることができました。(M.S.)

澤木先生ゼミは、真に多様性に溢れており、しかし私達には、英語教育・言語能力・言語テストを分析することで得られる論理的思考力が共通して宿っています。文法エラー分析・入試の語彙比較・英語教育国際比較・小学校英語教育・難民認定時の国籍判別言語評価の妥当性検証等のテーマは私達の研究内容のほんの一部です。またゼミ生は、その英語力を活かし、テスト関連団体でのアルバイトを経験したり、また全国英語ディベート大会入賞、オーケストラのヨーロッパ遠征、カンボジア英語教育プロジェクトや国連機関での研修等を成し遂げたりしています。同窓生も、大学院生・英語教員・大学職員・ジャーナリスト・起業家・バンカー・ITプログラマー・経営コンサルタント・営業・海外で働く等、社会でその才能を発揮しています。(N.I.)

担当科目

Classes

研究室・連絡先

Contact

担当科目:<2年>Academic Reading & Writing I・II

<2年以上選択>Language Assessment for Classroom Teachers

<ゼミ>英米文学語学演習I・II L

<大学院>英語科教育特論II(Language Assessment 1・2)、英語科教育演習(1)・(2)、英語科教育研究演習

【研究室】 16-916
【e-mail】 ysawaki#waseda.jp (replace # with @)
【電  話】 03-5286-1554

主要著作

Main Publications

Sawaki, Y., & Sinharay, S. (2013). The value of reporting TOEFL iBT subscores. (TOEFL iBT Research Report No. TOEFLiBT- 21). Princeton, New Jersey: ETS.

Sawaki, Y., Qinlan, T., & Lee, Y.-W. (2013). Understanding learner strengths and weaknesses: Assessing performance on an integrated writing task. Language Assessment Quarterly, 10(1), 73-95.

Sawaki, Y. (2012). Technology in language assessment. In G. Fulcher & F. Davidson (Eds.), Routledge handbook of language testing (pp. 426-437). New York: Routledge.

澤木泰代. (2011).「大規模言語テストの妥当性・有用性検討に関する近年の動向」『言語教育評価研究』2, 54-63.

Lee, Y.-W. & Sawaki, Y. (2009). Cognitive diagnosis approaches to language assessment: An overview. Language Assessment Quarterly, 6 (3),172-189.

Sawaki, Y., Stricker, L., & Oranje, A. (2009). Factor structure of the TOEFL Internet-based Test (TOEFL iBT). Language Testing, 26, 5-30.